こんにちは、加藤工務店です。
9月に入り、朝晩には少しずつ秋の気配を感じるようになりました。季節の変わり目は、衣替えや模様替えとともに、住まいの使い方を見直すよいタイミングです。
築年数の経った住宅では、「使っていない和室がある」「客間が物置になっている」「部屋が細かく分かれていて使いにくい」と感じることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、昔ながらの間取りを単純に壊して広くするのではなく、「残す・つなぐ・用途を変える」という視点から、今の暮らしに合った住まいへ“再編集”する方法を考えてみます。
昔の間取りが今の暮らしに合わなくなっている?

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昔ながらの住宅には、和室や客間、独立した台所など、それぞれの用途に合わせて空間を仕切った間取りが多く見られます。
当時は使いやすかった間取りも、家族構成や生活スタイルが変われば、使いにくさを感じることがあります。
以前は親戚や来客を迎えていた客間も、来客が減れば出番が少なくなります。子どもが独立して空き部屋が増える一方、家族が集まるリビングは手狭、ということもあるでしょう。
つまり問題は、「昔の間取りだから」ではなく、間取りと今の暮らし方にズレが生まれていること。まずは、現在の生活に必要な空間を考えることが大切です。
昔の間取りには「あえて残す」良さもある

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リフォームというと、壁をなくして広い空間をつくるイメージがあります。しかし、昔の間取りや造作には、今の暮らしにも活かせる工夫があります。
例えば――
・続き間:襖を開ければ広い一室、閉めれば個室に。普段と来客時で使い分けられる
・和室:くつろぐ場所、客間、寝室など、その時々で用途を変えやすい
・縁側:庭とのつながりを活かし、読書や休憩を楽しむ小さな居場所にするほか、日当たりの良さを生かしたサンルームのような使い方も

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・欄間:部屋を仕切りながら光や風を通す昔ながらの工夫。意匠としても活かせる
・床の間:飾る場所として残すほか、奥行きを活かして収納や小さな作業スペースにも
特に襖で仕切る続き間は、「開ける・閉める」で空間の大きさを変えられるのが特徴です。また、欄間のように、空間を仕切りながら光や風を通す工夫も昔の家ならでは。リフォームの際にすべて取り払うのではなく、こうした造作を意匠として残せば、住まいの趣を引き継ぐこともできます。
古いからなくすのではなく、今も便利な部分や、その家らしさを感じさせるものは残して活かす。これも“間取りの再編集”の一つです。
使っていない部屋は「用途を変える」

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一方、ほとんど使われていない部屋なら、今必要な場所へ役割を変える方法があります。
例えば、使わなくなった和室や子ども部屋なら、
・ワークスペースや趣味の部屋にする
・1階の寝室として使いやすく整える
・押し入れに棚やハンガーパイプを加え、収納を使いやすくする
といった方法が考えられます。
一室を一つの用途に固定する必要もありません。普段は仕事や趣味に使い、家族が泊まりに来た時だけ客間にするなど、暮らしに合わせて役割を持たせることもできます。
「使っていないからなくす」のではなく、「今なら何に使えるか」を考えることがポイントです。
全部壊さず「ゆるくつなぐ」という方法も

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細かく仕切られた部屋を見ると、「壁を取って広いLDKにしたい」と考える方もいるでしょう。
もちろん、それが暮らしに合う場合もありますが、完全なワンルームにすることだけが正解ではありません。
例えば、リビングと隣の和室を開閉しやすい建具で仕切れば、普段は一続きの空間として使い、必要な時だけ個室にできます。
独立キッチンも同様です。調理中のにおいや音がリビングへ広がりにくいという良さを残しながら、一部に開口や室内窓を設けて家族の気配を感じやすくする方法があります。
「残すか、壊すか」の二択ではなく、ほどよくつなぐ。そんな中間の選択肢も考えてみましょう。
廊下も「無駄なスペース」とは限らない

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部屋を広げるために削られやすい廊下ですが、廊下があることで玄関から居室が直接見えにくくなり、生活空間と来客動線を分けられることもあります。
さらに、幅などに余裕があれば、壁面に棚や収納を設け、本や日用品を置くスペースとして活用する方法も。
単なる移動スペースと考えず、今ある場所にもう一つ役割を加えられないか考えてみるのも、昔の間取りを活かす方法です。
「壁を取れば広くなる」とは限りません

間取り変更で注意したいのが住宅の構造です。
壁の中には建物を支えるうえで重要なものもあり、希望する場所を自由に撤去できるとは限りません。また、工事内容や建物によっては建築確認などの手続きが必要になる場合もあります。
そのため、壁の撤去は自己判断せず、建物の構造や状態を確認したうえで計画することが大切です。
壁を撤去できなくても、建具を変える、収納を見直す、開口部を工夫するなど、別の方法で使いやすくできるケースもあります。
間取り図より先に「困りごと」を整理しよう

リフォームを考えると、つい「何部屋を何部屋にするか」と間取り図から考えたくなります。しかし、その前に整理したいのが、現在の暮らしです。
例えば、
・家族が集まる場所が狭い
・使っていない部屋がある
・収納と使う場所が離れている
・一人で仕事や趣味に集中できる場所がほしい
など、具体的な困りごとから考えてみましょう。
そうすると、大掛かりに間取りを変えなくても、残す・つなぐ・用途を変えることで解決できることが見えてくるかもしれません。
今ある間取りを“再編集”してみませんか?

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長く住んできた家には、その家ならではの良さがあります。昔ながらの間取りも、今の暮らしに合わない部分があるからといって、すべて取り払う必要はありません。
続き間のように昔からある仕組みをそのまま活かす。欄間など、その家らしさを感じさせる造作を残す。使わなくなった部屋には新しい役割を持たせ、必要なら部屋同士をゆるやかにつなぐ――。
家族構成や暮らし方は年月とともに変わります。今ある住まいの良さを見極め、必要なところだけ手を加える。そんな“間取りの再編集”で、これからの暮らしに合った住空間を考えてみてはいかがでしょうか。












